地震のマークは全国共通?JIS標識の意味と津波・土砂災害との違いを徹底解説【2026年最新】
地震のマークには、全国共通の図柄があるのでしょうか。避難場所の看板や防災アプリ、ハザードマップ、テレビの地震速報を見比べると、地震を表す図柄やアイコンが異なり、どれを基準に判断すればよいのか迷うことがあります。
実は、災害時の避難誘導に使う図記号には日本産業規格(JIS)による標準化の仕組みがあります。2025年12月22日には案内用図記号のJISに地震関連の図記号が追加され、2026年3月23日には災害種別避難誘導標識システムのJIS Z 9098も改正されました。従来の標識で地震が独立した図記号として扱われていなかった背景を知ると、「地震のマークがない」という疑問も理解しやすくなります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:地震の避難場所を示す図記号がJISに追加され、2026年は標識の標準化が新たな段階に入った。
- 要点2:JIS Z 8210は案内用図記号、JIS Z 9098は災害種別に応じた避難誘導標識の仕組みを定めている。
- 要点3:地震・津波・土砂災害のマークは意味が異なる。マークだけでなく、避難先の適否、矢印、距離、地図の凡例を確認することが大切。
【結論】地震のマークは全国共通?2026年の最新基準を解説
結論からいうと、地震に関連する図記号を全国共通のルールで示すためのJIS規格は存在します。ただし、地震に関係するあらゆるマークが、すべての地図やアプリで同一の図柄になっているわけではありません。
まず押さえたいのが、経済産業省が所管する案内用図記号の規格「JIS Z 8210」と、災害時の避難誘導標識の表示方法を定める「JIS Z 9098」の違いです。
JIS Z 8210は、公共施設や交通機関などで、文字だけに頼らず情報を伝えるためのピクトグラムを規定しています。一方、JIS Z 9098は、災害の種類に適した避難場所を示し、方向や距離などの情報を使って安全な場所へ誘導するための標識システムを扱います。
2025年12月22日に発行されたJIS Z 8210の追補3では、火山災害や地震に関係する4つの案内用図記号が追加されました。一般財団法人日本規格協会が2026年1月19日に公表した説明によると、新しい地震の図記号は、地震発生時の避難場所を示す標識として、ほかの図記号と組み合わせて使用するものです。
さらに、2026年3月23日にはJIS Z 9098が改正され、地震や火山噴火などを含む災害種別の避難誘導標識システムが整理されました。したがって、2026年の最新情報を調べる場合は、古い防災標識の一覧だけで判断せず、改正後の規格も確認する必要があります。
【2026年最新】地震マークが追加された理由とJIS改正のポイント
地震のマークをめぐる大きな変化は、地震そのものを独立した災害種別として案内する図記号が整備されたことです。
以前から、避難場所や津波避難ビルを示す図記号はJISに定められていました。しかし、内閣府が公表している従来の標準化資料では、地震は津波や大規模な火事など、地震によって起こり得る災害を通じて避難先を案内する考え方が採られていました。
地震が起きたときに必要な行動は、揺れそのものへの対応だけではありません。海岸付近では津波、都市部では火災や建物の損傷、山間部では斜面崩壊など、場所によって警戒すべき危険が異なります。このため、従来の標識では、地震という原因だけを示すのではなく、想定される危険に応じた避難先の表示が重視されていました。
一方、地震時の避難先をより明確に示す必要性から、案内用図記号の改正で地震の図記号が追加されました。日本規格協会の発表では、新しい図記号のデザインについて、日本人および外国人を対象に理解度試験を実施し、一定の理解度が得られたものを採用したと説明されています。
2026年3月23日の経済産業省によるJIS改正発表では、JIS Z 9098についても、国際規格との整合性や日本特有の自然災害への対応を踏まえ、用語・定義の見直しや図記号の追加が行われたとされています。
この改正で重要なのは、単に新しいアイコンが増えたことではありません。災害の種類と避難場所の適性を、住民や旅行者がより正確に理解できるよう、標識全体の仕組みが整えられた点です。
【地震マーク一覧】津波・土砂災害・火災との違いを比較
防災標識を見分ける際は、図柄の形だけでなく、「何の危険を知らせているのか」「どの場所へ避難できるのか」を確認しましょう。災害を知らせる図記号と、避難場所そのものを示す図記号は、同じものではありません。
| 災害・表示の種類 | 主な意味 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 地震 | 地震発生時に適した避難場所を示すための図記号 | 2025年12月のJIS改正で追加。ほかの図記号と組み合わせて使う |
| 津波 | 津波に対して安全な避難場所や避難ビルを示す | 高台への避難か、津波避難ビルへの避難かを確認する |
| 土石流 | 山地などから土砂や石が一気に流れ下る危険を示す | 谷筋や川沿いなどの危険を意識し、指定された避難先を確認する |
| 崖崩れ・地滑り | 斜面の崩壊や地盤の移動による土砂災害の危険を示す | 崖や斜面の近くを避け、安全な避難経路を確認する |
| 洪水・内水氾濫 | 河川の氾濫や、排水しきれない雨水による浸水の危険を示す | 浸水想定区域や浸水深、避難先の利用条件を確認する |
| 大規模な火事 | 大規模な火災に対する避難場所や誘導情報を示す | 建物内の避難経路と、屋外の避難場所の案内を区別する |
| 火山噴火 | 噴火時の危険や、避難場所・退避施設に関する情報を示す | 噴石シェルターなど、状況に応じた退避先を確認する |
この一覧は、災害種別ごとの役割を整理したものです。個々の図柄の形や使用条件は、該当するJISの図記号と表示ルールに従って確認してください。
特に間違えやすいのが、地震と津波の関係です。津波の図記号は、津波から身を守るための避難場所や施設を案内するものです。地震の図記号は、地震発生時に適した避難場所を示すためのものです。地震が起きたからといって、津波に対応した避難先があらゆる場所で必要になるわけではありませんし、津波の危険がある地域では地震への対応だけで避難を終えることもできません。
また、土砂災害の図記号にも注意が必要です。土石流と崖崩れ・地滑りは同じ土砂災害に分類されますが、危険が発生する地形や現象は異なります。標識に補助文字がある場合は、図記号と合わせて読み取ることが大切です。

【なぜ地震のマークがない?】古い標識と新しい標識の違い
「地震のマークが見当たらない」という疑問には、いくつかの理由があります。最も重要なのは、古い標準化資料では、地震を独立した図記号で示すのではなく、津波や大規模な火事など、地震によって起こり得る災害を通じて避難先を案内する考え方が採られていたことです。
内閣府が公表した従来の標準化資料では、地震は津波や大規模な火事などの起きる事象でカバーする考え方が示されていました。これは、地震による被害や避難行動が、地域の地形や周辺環境によって異なるためです。
たとえば、海岸近くでは津波への避難が必要になる場合がありますが、内陸部では建物の損傷や火災への対応が中心になることがあります。単一の「地震」という表示だけでは、その場所でどのような避難先が適切なのかを十分に伝えられない場合があるのです。
もう一つの理由は、標識と情報サービスで目的が異なることです。道路や公共施設の避難誘導標識は、避難場所の方向や距離、安全性を知らせるためのものです。一方、気象庁の地震情報や防災アプリのアイコンは、地震の発生、震源、震度分布、津波情報などを利用者に伝えるために設計されています。
そのため、気象庁のウェブサイトに表示される「地震・火山」のメニューアイコンと、避難場所の看板に使われるJISの図記号が一致するとは限りません。テレビ局やアプリの独自デザインについても、避難誘導用のJIS図記号と同じ意味で使われているかどうかを確認する必要があります。
2026年時点では、地震に関連する図記号がJISに追加され、災害種別避難誘導標識システムも改正されています。したがって、古い資料で地震の独立した図記号が見つからない場合でも、それだけで「全国共通の地震マークは存在しない」と判断するのは適切ではありません。
【ハザードマップの記号の見方】地震・津波・土砂災害を読み違えない方法
ハザードマップは、災害が発生した場合に想定される危険や避難に必要な情報を地図上で確認するためのものです。避難誘導標識と似た図記号が使われる場合もありますが、地図に表示される色や記号のすべてが避難場所の標識を意味するわけではありません。
国土地理院のハザードマップポータルサイトでは、洪水、土砂災害、高潮、津波などの情報を確認できます。同サイトの説明によると、洪水・土砂災害・高潮・津波に関するピクトグラムには、JISで規定された図記号が用いられています。
ハザードマップを読むときは、次の順序で確認すると理解しやすくなります。
- 1. 地図の凡例を読む:色、線、記号がそれぞれ何を示すのかを確認する。浸水想定区域や土砂災害警戒区域などは、図柄だけで判断しない。
- 2. 自宅や職場の位置を確認する:現在地がどの災害リスクの範囲にあるかを確認する。複数の災害情報を重ねて見ることも有効。
- 3. 避難先の種類を確認する:指定緊急避難場所なのか、指定避難所なのかを区別する。
- 4. 災害種別の適否を確認する:施設が地震、津波、洪水など、どの災害に対応しているかを確認する。
- 5. 避難経路を確認する:目的地までの方向や距離に加え、浸水想定区域、崖、河川などの危険箇所も確認する。
ここで重要なのが、指定緊急避難場所と指定避難所の違いです。内閣府によると、指定緊急避難場所は災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所です。これに対し、指定避難所は、災害の危険に伴って避難した人が一定期間滞在するための施設です。
両者は同じ施設が兼ねることもありますが、すべての避難所があらゆる災害に適しているわけではありません。地震には適していても、津波や洪水では危険が残る場所もあり得ます。施設名や「避難所」という文字だけで安全だと決めつけず、災害種別ごとの表示を確かめてください。
なお、ハザードマップに危険が表示されていない場所が、必ず安全というわけでもありません。国土地理院のハザードマップポータルサイトは、土砂災害警戒区域外でも土砂災害が発生する場合があると注意喚起しています。地図の情報と、実際の地形や気象状況の両方を考慮することが大切です。

【防災マークの見分け方】避難場所の看板で必ず確認したいポイント
避難場所の標識は、単に目的地を示すだけでなく、どの災害に対して安全な場所なのかを伝える役割を担っています。JIS Z 9098では、災害の種類に応じた情報を、標識を通じて途切れることなく提供する考え方が採られています。
実際の看板を見るときは、次のポイントを確認しましょう。
- 避難場所を示す図記号:避難先となる場所を示す記号と、災害種別を示す記号を区別する。
- 災害種別の表示:地震、津波、洪水、土砂災害など、どの災害に対応しているかを確認する。
- 適否の表示:図記号と組み合わせて「○」「×」などが表示されている場合、その避難場所が当該災害に適しているかどうかを確認する。
- 矢印と距離:避難先の方向と距離を確認し、標識が案内する経路に従う。
- 文字や外国語の補足:図柄だけで判断できない場合は、標識に書かれた説明や外国語表記も読む。
標識に「地震」と表示されていても、それだけで周辺のすべての災害リスクがなくなるわけではありません。地震後に津波が発生する可能性がある地域では、津波への避難行動が別途必要になる場合があります。地震の揺れが収まった後も、自治体や気象庁の情報に従って行動してください。
また、地震のマークがない看板を見つけた場合、ただちにその場所が地震時に危険だと判断するのも避けるべきです。標識の設置時期や表示方式が異なる可能性があるためです。自治体の最新の避難場所情報やハザードマップで、当該施設がどの災害に対応しているかを確認しましょう。
夜間や停電時には、標識が見えにくくなる問題もあります。内閣府の標準化資料では、蓄光材料や再帰性反射材料などによる夜間の視認性確保が取り上げられています。平常時に避難経路を確認しておき、暗い場所でも標識を見つけられるよう備えることが重要です。
【地震のマーク】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:地震のマークは全国共通ですか?
A1:避難誘導に使う図記号にはJISによる標準化の仕組みがあります。2025年12月22日のJIS Z 8210の改正で地震関連の図記号が追加され、2026年3月23日にはJIS Z 9098も改正されました。ただし、すべての防災アプリやウェブサイトが同じアイコンを使っているわけではありません。
Q2:地震のマークがないのはなぜですか?
A2:従来の標準化資料では、地震によって起こる津波や大規模な火事などを通じて避難先を案内する考え方が採られていたためです。2025年12月のJIS改正で地震の図記号が追加されたため、古い資料と最新の規格では扱いが異なります。
Q3:地震のマークと津波のマークは同じ意味ですか?
A3:異なります。地震の図記号は地震発生時の避難場所を示すために使われ、津波の図記号は津波に対して安全な避難場所や避難ビルなどを示します。地震の後に津波が発生する可能性がある場合は、津波情報や自治体の避難指示も確認してください。
Q4:地震のマークがある場所なら、必ず安全ですか?
A4:マークだけで安全を断定することはできません。どの災害に対応した避難場所なのか、避難経路に危険がないか、自治体から避難指示が出ていないかなどを確認する必要があります。
Q5:ハザードマップの記号は全国共通ですか?
A5:洪水、土砂災害、高潮、津波などではJISで規定されたピクトグラムが使われています。ただし、地図の色や表示方法、掲載する情報は地図の種類によって異なるため、凡例と自治体の説明を確認してください。
Q6:2026年に確認すべき規格は何ですか?
A6:案内用図記号を調べる場合はJIS Z 8210、災害種別に応じた避難誘導標識システムを調べる場合は、2026年3月23日に改正されたJIS Z 9098を確認してください。規格の概要や改正内容は、経済産業省と日本規格協会の公表資料で確認できます。
まとめ:地震のマークは図柄だけでなく、避難先の適性まで確認する
2026年の地震のマークを理解するうえで押さえておきたいのは、地震関連の図記号がJISに追加され、災害種別避難誘導標識システムも改正されたことです。地震のマークが見当たらないという疑問には、従来の標識が津波や大規模な火事など、地震によって起こり得る災害を通じて避難先を案内していたという背景があります。
現在は、JIS Z 8210が案内用図記号を、JIS Z 9098が災害種別に応じた避難誘導標識システムを扱っています。両者の役割を理解すれば、地震・津波・土砂災害のマークを混同しにくくなります。
防災標識を見分けるときの判断基準は、「何の災害を示す記号か」「その場所は当該災害に適しているか」「どの方向へ、どれくらい移動すればよいか」の3点です。マークの形だけで判断せず、標識の文字、矢印、距離、自治体のハザードマップを組み合わせて確認してください。
災害が起きてから避難先を探すのではなく、日頃から自宅や職場、通学・通勤経路にある標識を確認し、地震と津波など複数の災害を想定して避難先を決めておくことが、自分や家族の命を守る備えにつながります。 (出典: 地震のマーク(Yahoo!ニュース))